前置き
ワイルドハーツの獣の攻撃について、ときどき「ディレイが…」と言及されることがあります。当記事では「そもそもディレイとは何か」「ワイルドハーツにおけるディレイとは何か」について記します。
一般的な意味のディレイ
delay(ディレイ)
【動詞】遅らせる、延ばす、手間取る
【名詞】遅滞、遅延、猶予、遅延時間
一般的な意味は上記のとおりです。映像機器の信号をわざと遅らせたり、プログラムの命令をわざと遅らせたり、専門的な分野での「遅らせる技術」もよくディレイと呼ばれます。
ゲーム用語としてのディレイ
複数の意味があります。私が知る限り、以下の5種類です。
① 発動遅延
② 駆け引きの技術
③ 派生コマンド受付時間
④ タイミングが変化する敵の攻撃
⑤ 単に遅いだけの敵の攻撃
① 発動遅延
発動の条件を満たした後、実際に発動するまで時間がかかることを意味する「ディレイ」です。
例えばコマンド入力後、発動に5秒かかる魔法等がこれにあたります。「この魔法のディレイは5秒」といった表現になります。プレイヤー側のスキルや魔法のみならず、敵の似たような技を指すこともあります。
こういった仕様は単純でありふれたものですから、わざわざ「ディレイ」と呼ばれることは少ない印象です。
② 駆け引きの技術
格闘ゲーム等、アクション性の強い対人戦で見かける「ディレイ」です。行動をわざと遅らせることで対戦相手の読みを外す技術となります。わずかな時間変化だけで相手を揺さぶる高等技術ですね。現実の格闘技におけるフェイントに近いと言えます。
ゲームによってはコンピューター相手でも有効な技です。攻撃した後に少し待ち、最適な回避のタイミングを計る、といった具合です。
③ 派生コマンド受付時間
「② 駆け引きの技術」に関連する「ディレイ」です。行動をわざと遅らせるにはシステム上、技を出している間に次の派生コマンド受付時間が必要となります。この受付時間の長さも「ディレイ」と呼ばれます。
例えば、モンハンの太刀は派生コマンド受付時間が長めです。太刀は攻撃を振った後、モンスターの様子を見ながらコンボ継続や回避等、柔軟な行動選択が可能です。これを指して「太刀はディレイが長い」といった言い方をします。
④ タイミングが変化する敵の攻撃
「② 駆け引きの技術」に近い意味の「ディレイ」です。違うのはプレイヤーではなく、コンピューターの敵が使ってくることです。
全く同じ予備動作から、最速で攻撃するパターンと、少し遅れて攻撃するパターン等が設定されている場合、タイミングを計りにくくなります。特に遅れてくる攻撃が厄介で、これを「ディレイ」「ディレイ攻撃」と呼びます。
「悪辣なディレイ」とみなされるのは主にこれです。プレイヤーの裏をかいてくる、いやらしい攻撃ですからね。有名なのはエルデンリングのマルギットの振り上げです。
⑤ 単に遅いだけの敵の攻撃
ディレイと言えばディレイですが、同じ敵の攻撃でも「④ タイミングが変化する敵の攻撃」とは似て非なるものです。④との明確な違いは、遅いがタイミングは固定であることです。
遅い攻撃は確かにタイミングを計りにくいですが、「④ タイミングが変化する敵の攻撃」よりは対処が容易です。一度覚えてしまえば常に同じタイミングで対処できますから。
このような攻撃は昔から存在する、ごくありふれたものです。しかしいつの間にか「④ タイミングが変化する敵の攻撃」と混同されがちになっているようです。
ワイルドハーツにおけるディレイ
ワイハと ① 発動遅延
ガシャンガシャンキュイーン……な轟雷砲 |
ワイハと ② 駆け引きの技術
状況を伺ってからくりキャンセル |
ワイハと ③ 派生コマンド受付時間
ほぼどんなモーションもキャンセル可 |
ワイハと ④ タイミングが変化する敵の攻撃
存在しません。断言できます。私は最初から最後まで、すべての獣と和傘で戦いました。獣がタイミングをずらしたせいでパリィ(受け流し)できなかったというケースは、一切ありませんでした。どの獣のどの攻撃も、予備動作から攻撃発生までタイミングは固定です。
もし、ワイルドハーツにこの意味のディレイが存在したら、傘使いの怒号がすさまじいことになっていたと思います。
ワイハと ⑤ 単に遅いだけの攻撃
一度テンポを掴めばパリィ余裕 |
獣の攻撃にはすべて、予備動作から攻撃発生まである程度の余裕があります。おそらく、敵の動きを見てからくりを置くことが前提のゲームだからです。特に獣の大技は、連結からくりをゆっくり組めるくらいの溜めがあります。
とは言え、獣ごとに攻撃テンポが大幅に違います。スナツヅミやアマテラスのように、テンポの特に遅い獣は慣れるのが大変です。遅い獣に悩まされた結果、「ディレイが…」となるのかも知れません。
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