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「春霞の古道」の全容
- 南北に参道が通っており、これに沿って大小の社が点在している
- 中央付近には大桜と、大きな社の跡がある
- 南東には菜の花の丘があり、湊に通じている
- 西には宿場町の跡がある
- 南西には澱み深い墓地がある
「春霞の古道」の概要
過去
湊に隣接するマップです。十数年前までは獣による危険も少なく、穏やかな土地だったそうです。あちこちに人の生活や信仰の跡が見られます。
社(やしろ)や祠(ほこら)が多く存在します。湊が隣接していますので、獣狩の文化が強く影響しているのかも知れません。
十数年前の戦で澱んでいるものの、戦の形跡は見られません。安護家はここに獣を放っただけで、戦の舞台にはならなかったものと思われます。
獣の像(狛犬)
獣を神の遣い、または神そのものとして信仰していた形跡があります。
- 狛犬(大樹の野営地)
- 兎?(菜花ヶ丘)
- 鼠?(荒れた奥宮)
- 猪・ヤマウガチ(杉の参道の奥)
- 猿・ジゴクザル(杉の参道)
- 鳥・シラヌイ(風鳴きの野)
- 虎・アラガネ(鎮守の森)
- 龍(風騒ぐ竹林)
1の狛犬はラセツかも知れません。2は前歯と耳の形から兎に似た獣(コノハナウサギ・ツノバシリ)と思われます。3は前歯と細い尻尾から鼠に似た獣(ハナヤドシ)と思われます。
「春霞の古道」の各地
岩見の参道
大樹の野営地を挟む道です。「岩を見る」ということですから岩壁のある方向、つまり霊峰へ向かう道なのでしょう。
この道はチュートリアルの霊峰に通じていました。
チュートリアルの道には、見てのとおり鳥居や注連縄がありました。霊峰そのものが神域、または神体だと思われます。
大樹の野営地
最初の拠点です。非常に大きな枯れた幹があります。注連縄が巻いてありますので、この朽ち木は神体のようです。
一見すると単なる巨木ですが、上の方には歪に伸びた枝があります。霊峰の頂の枝に似ています。常世蟲(アマツヲロチ)の影響を受けていたのかも知れません。
風鳴きの野
広い野原です。春告げの社の下にあたります。社や祠、お地蔵様などが散見されます。海を挟んですぐ湊があります。
北西の洞窟(南の黒晶洞)へ行く途中、社があります。鳥(シラヌイ)の像があります。
北側に獣(ヤマウガチ)の道として、蔦の橋が架かっています。本来の人の通り道は東側の崖下、鳥居が続く参道です。
参道にずらっと鳥居が並んでいます。氏子から奉納されたものでしょう。この地域の活気や信仰、春告げの社に対する人気が伺えます。参道脇の沢
春告げの社跡の南にある沢です。沢には庵があります。
石堂家が滅び、安護家があづまの国を治めるようになった後の書簡です。内容に失望した誰かが捨てていったものと思われます。
春告げの社跡
春霞の古道において、もっとも大きな社です。マップのちょうど中央にあることから、ゲーム中は屋根の上に拠点を作る人も多いですね。
社の由緒は分かりません。鬼の面が飾ってあるのは気になりますが……。ちなみに、現実の日本で鬼を神として祀っている神社は、以下の4つだけだそうです。
- 青森県弘前市の「鬼神社」
- 埼玉県嵐山町の「鬼鎮神社」
- 大分市の天満社境内の「鬼神社」
- 福岡県添田町にある玉屋神社境内の「鬼神社」
ワイルドハーツ公式Q&Aにて、六科の琵琶の絵の鬼は「太古の獣」とされています。春告げの社では、鬼を神(獣)として祀っているのかも知れません。
社から少し下りたところ、墓石の多い洞窟に入ると、三柱鳥居があります。春霞の古道に三柱鳥居は2か所あり、そのうちの1つとなります。
菜花ヶ丘
春告げの社跡から南東に坂を上がると、一面の菜の花の丘に出ます。ここから橋を渡ると湊の大門前に通じます。この菜の花には謂れがあります。
獣狩を弔うための花が根付いたものです。しかしこの書簡、炎というのが引っ掛かります。古道に火の獣? ジゴクザルでしょうか。
菜花ヶ丘の橋からは、湊の外周を見渡すことができます。外周にも建物が多く、交易に使われるような船着き場が確認できます。
菜花ヶ丘は眺望もよく、不二の霊峰がはっきり見えます。湊の人々にはこの景色が日常です。霊峰が信仰の対象となるのも不思議はないですね。
澄みの川
春霞の古道は、東西に延びる川で南北に分かれます。その東側が澄みの川です。エンディングのヤマウガチが水を飲んでいる場所です。一見すると何もない川ですが……。
春告げの社跡から澄みの川に向かう道には、立派な石段があります。この道に沿い、川を渡ってまっすぐ進むと、竹林の摂末社・鎮守の森・北端の奥宮に通じます。
おそらく、各社を参拝する主要なルートだったのでしょう。昔は川に橋が架かっていたのかも知れませんね。
風騒ぐ竹林
澄みの川のすぐ北側に、鬱蒼とした竹林があります。ここもかつては参道として利用されており、人の手で整備された道があります。
クニナラシの体に乗り込んだときのステージも、このエリア内にあります。
ここの竹は、タケノコや切り口が何故か光ります。近くにタケノコジカが多く生息しているため、獣の影響かも知れません。
龍を祀った社があります。狛犬がわりの龍もさることながら、奇岩と縄の龍がたいへん気になります。この社はタイトル画面でも映し出されます。
龍の社の近くに由緒板があります。よく見るとちゃんと字が書かれています。達筆すぎてほとんど読めませんが……。わずかながら、由緒板から分かることもあります。
- 龍の社の名は「摂末社」
- 龍神および霊峰に対する信仰
鎮守の森
竹林の北側に鎮守の森があります。一般に「鎮守の森」とは、神社を囲む森や、神域として拝される森のことを指します。作中のこの森はコハクヌシに荒らされ、見る影もないですが。
鎮守の森を北東にむかって奥へ行くと、藤の花に囲まれた社があります。かなりの僻地ですが、丁寧に管理されていたようです。……この藤にも獣の影響があるのでしょうか。
杉の参道
杉の参道は鎮守の森の北、荒れた奥宮に通じます。名前のとおり、大きな杉の木が立ち並んでいます。杉の多さは元からなのか、コハクヌシの影響か、不明です。
参道の脇には猿(ジゴクザル)の像の社があります。竹林の龍の社と同じく、奇岩と縄の龍があります。
杉の参道には2か所、隠し通路のような場所があります。
うち1か所は、猿の像の社の南側です。奥には三柱鳥居があります。春霞の古道に2つあるうちの1つです。中央の岩には刀(護符)が刺さっていました。
もう1か所は、大桜の北側の通路、西の岩壁に面しています。奥に猪(ヤマウガチ)の像の社があります。ここにも刀(護符)がありました。道なりに北へ進むと荒れた奥宮です。
杉の参道の北側はやや険しい地形ですが、昔は石段や橋がありました。どうにか登っていくと、荒れた奥宮に到着します。途中、氏子が奉納したと思しき鳥居が連なっています。
荒れた奥宮
第2の野営地です。クニナラシ戦のスタート地点になります。狩り場から離れた北端にあるため、野営地としては少々使いにくいですね。
野営地から少し登ると、鼠(?)の像の社があります。ここはゲーム中、もっとも近い距離で不二の霊峰を望める場所です。霊山信仰の証と言えるでしょう。
安護家の頭首、盛時が奥宮を訪ねた記録があります。石堂家に戦を仕掛ける前のことです。どのような意図で訪れたか分かりませんが、気に入らなかったようです。
大桜の広場
荒れた奥宮の南側、春告げの社跡の北側、見事な大桜があります。花見のため、派手な建造物に囲まれています。
花見の台は、かつての石堂家の殿様の命によるものです。当時から散らない桜だった様子。かなり昔から獣(ムラクモ)の影響があったのでしょう。
北の琥珀洞
大桜の広場からやや東に下りたところ、鎮守の森の西側の洞窟が、北の琥珀洞です。その名のとおり、コハクヌシの巣となっています。1章で氏繁が天井に刺さっていましたね。
飛び石の渓流
春霞の古道を南北に分断する川の中央が、飛び石の渓流です。北の琥珀洞と南の黒晶洞のちょうど間になります。
普通に歩く分には険しすぎる場所ですが、崖上には程よい広さのスペースがいくつかあります。拠点や経路として活用できます。
南の黒晶窟
飛び石の渓流や寂れた穀物倉の南にある洞窟です。風鳴きの野から北、鳥の像の社の奥にも位置します。ジナリアラシの巣です。
出入口には注連縄が張ってあります。この洞窟も神聖な場所とされていた可能性があります。
寂れた穀物倉
春告げの社跡や飛び石の渓流の西、緑に呑まれた宿場に東にあります。今ではハナヤドシの縄張りとなっており、ひどく荒らされています。
倉の中には、今でも結構な数の米俵が積まれています。これほど大きな倉が必要だったと考えると、この近辺は昔、相当栄えていたのでしょうね。
緑に呑まれた宿場
宿場とは街道沿いに発展した町のことです。おそらく参拝客で賑わったのでしょう。ここを拠点にまず春告げの社へ行き、そこから色々な社を拝み、桜を見たり、霊峰を望んだり……、参拝客はそういう楽しみ方をしていたと思われます。
宿場町の中は様々な店が並んでいました。当時の雰囲気を十分察せるくらいに形跡が残っています。もっともこれは、この地がきわめて急に荒れたという証左でもあります。
大旅籠跡
宿場町には大きな旅籠があります。現代で言えば大旅館です。大旅籠の名前は「紅梅庵」。この近辺は昔から、梅の獣であるハナヤドシの影響があったのかも知れません。
大旅籠の中には大ホールがあります。宴会や芝居等に使われていたのでしょう。大変豪華な旅籠ですから、石堂家の殿様が利用していた可能性もありますね。
大旅籠の裏手には、マップの外に通じる道と橋があります。今は壊れていますが……。外からの参拝客や商人は、本来ここを通って来ていたのでしょう。
柳の古参路
緑に呑まれた宿場・大旅籠跡から南に行くと、柳の古参路となります。このまま南に進むと、忘れられた墓地跡に到着します。
文字通り柳の多い道で、人の往来があまり感じられない、寂れた場所です。建物がぽつんと一件ありますが、何に使われていたものでしょうか。
忘れられた墓地跡
澱み深き土地です。「幽死獸ハナガラシ」の居場所となります。古い墓地ですから、他の澱み深き土地と比べても特に幽玄な印象があります。
忘れられた……というのが、いつの話かは分かりません。昔からそうだったのか、澱んだせいで十数年の間に捨て置かれたのか。
考察
参拝客のルート
春霞の古道は本来、参拝客で賑わっていたはずです。参拝客や商人がたどる道は、以下のようになっていたと思われます。
外の参拝客や商人は、宿場の西側にある橋から来たはずです。この橋は霊峰の麓か秋昏の峡谷につながっていると思われます。
宿場から大桜は、近いようで遠いです。川と崖があるからです。とはいえ昔もからくりがあったならば、誰もがショートカットできていた可能性もあります。
ただ、全体として坂・崖・階段の多い土地です。流通ルートとしてはあきらかに不便です。魚取衆が湊の交易を取り仕切っているのは、海路による流通がメインだったからでしょうね。
鬼門と十二支
獣の像と社の位置から、鬼門と十二支になぞらえた考察ができそうです。
鬼門・裏鬼門(一般知識)
鬼門不吉な方角、邪悪な鬼たちが入ってくる
北東(丑寅・うしとら)
裏鬼門
不吉な方角、邪悪な鬼たちが出ていく
南西(未申・ひつじさる)
桃太郎のお供(犬・雉・猿)
裏鬼門から時計回りの干支にあたる
鬼を討つために助力として選ばれた
獣と像と鬼門
春告げの社(鬼)または摂末社(龍)を中央として、鬼門に虎、裏鬼門に鳥と犬があります。鬼門の概念や桃太郎のお供を意識したかのような配置です。……猿を除き。
図録や防具の説明において、アラガネ(虎)は北に住む死や不吉の存在とされています。一方、シラヌイ(鳥)は西に住む退魔や慈悲の存在とされています。干支や鬼門の概念に沿った設定かも知れません。
さて、気になるのが猿です。鬼門や干支を考慮すると、本来は南西、鳥や犬に近い配置のはずです。何故、北東にいるのでしょう。
猿の位置が違えば、裏鬼門が崩れます。そうなると鬼が出ていけません。この地に鬼がどんどん留まることになります。恐ろしいことです。
鬼が流れず留まる……「澱み」に似ていますね。猿の位置が違うのは「自然の循環が崩れて澱みが溜まり続けること」の暗示かも知れません。
鬼と龍
獣の配置が澱みを暗示していたならば、春告げの社の鬼は「澱みそのもの」「人を獣とみなしたときの姿」を表すのかも知れません。澱みは人の仕業でしょうから。
また、春告げの社(鬼)から見て鬼門の方角に、龍と川も配置されています。これも本編の状況と顛末を暗示しているのかも知れません。
桃太郎と主人公
マップの南西・裏鬼門の方角は、主人公がこの地に来たときの方角です。裏鬼門から鬼を討伐した桃太郎に重なりますね。
十二支の実装案
インタビュー記事によると、最初は十二支すべてを登場させる案もあったそうです。残念ながらそうはなりませんでしたが、獣の像と配置に名残があるのかも知れません。
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