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前置き
ワイルドハーツのメインストーリーは「澱みによって天つ糸が枯渇し、獣の異常行動が人の脅威となる」という話でした。最終的に澱みは解消され、獣も人も平穏を取り戻しました。
――ところで、澱みの原因はなんだったのでしょう。
メインストーリーはこれにほとんど触れていません。人を襲った獣も、世界を滅ぼす雨の獣も、澱みの被害者でしかありませんでした。真の元凶は分からずじまいです。
澱みの原因を推測するには、NPCの話や書簡のテキストを整理し、点と点をつないでいく必要があります。開発が意図的に用意した「考察してね」という要素です。
ということで、澱みに関する考察を記そうと思います。
澱みを生むもの
私が思うに、澱みを生む匂わしがあったものは5つです。このうち 2. と 3. はほとんど同じものです。
- 戦(いくさ)
- なつめの父が残した設計図
- 北の国の装置
- からくり
- 安護家の秘術
いずれも 人の技術 という点で共通しています。
戦(いくさ)
作中では時折、戦が自然環境を変えたのではないかという話があります。獣の異常行動や澱みについて、戦が関係している可能性は大いにありそうです。
なつめの父が残した設計図
第5章の依頼「受け継ぐもの・終」で、なつめが亡き父の設計図をもとに装置を作ろうとします。必要な素材を集めるものの、後一歩というところで、鈴蘭から横槍が入ります。
この装置は「大地の力を強めるが、獣も強力にしてしまう」ものだそうです。
意図的に強い獣を作り出せば、貴重な獣の素材も手に入りやすくなります。しかし獣たちの、自然の在り方を歪めるということでもあります。
なつめと鈴蘭はこの装置を作るべきか話し合いましたが、結論は出ませんでした。そこで主人公に意見を求めます。「作るのはやめるべきだ」と答えれば、この話は終わりです。
しかし、「作るべきだ」と答えると……
「ジゴクザル・澱」「ツノバシリ・澱」「スナツヅミ・澱」が一度に現れました。クエスト名は「歪みし大地」。どう見ても尋常なものではありません。
なつめの父が作らなかったのも頷けます。この装置を使い続けると、新たな澱みを生む可能性が高いと思われます。
北の国の装置
なつめの父が作らなかった装置と同じものと思われます。前述のクエスト中、鈴蘭が次のような話をしました。
土地と獣を歪めて利を得る狩りが、北では常態化しているようです。もしかしたら北の大地は、このせいで恐ろしいことになっているのかも知れません。
からくり
第5章で狩猟可能となる澱み深き獣の4体、「ハナガラシ」「アギトサカ」「トガアラシ」「ラセツザン」を狩ると、狩り場に書簡が現れます。この書簡には、過去の輪廻における獣狩の興りと滅びが記されています。
要点をまとめると、次のとおりです。
命
獣も環境も滅ぼす力を得た
旅
からくりの力で人の勢力を広げた
雨
千日雨が降った
種
世界が滅び、霊峰に種を残すこととした
特筆すべきは「記憶の断片・命」で語られている「天つ気を操り、獣を狩る力」です。これはおそらく、からくりの前身となる未完成の力だと思われます。この時点では、自然を破壊する危険な力だったのでしょう。
その後、人の勢力が拡大し、雨が降り、世界が滅んだと記されています。千日雨は澱みを流すためのものでした。ゆえに上記の危険な力は、澱みを生む力だった可能性があります。
ところで、作中には「天つ糸の流れを整える」と思しきからくりが幾つかあります。獣狩の糸車、夏島の遺跡のからくり、湊の飾車、アマテラス戦で使用した兵器、エンディングの巨大からくり……いずれも、天つ糸の流れをコントロールするものです。
さて、「流れを整えること」ができるなら、「流れを乱すこと」も可能ではないでしょうか。むしろ、そちらの方が簡単なのでは……。書簡に「この力を御さねば」と記されていたのは、「安易に使うと天つ糸の流れを乱す(澱みを生む)」ということかも知れません。
安護家の秘術
ここからが本題です。先に結論を申し上げます。
あづまの国の澱みは、安護家の秘術が直接の原因
明確な証拠はないのですが、これでもかと言わんばかりに状況証拠が積まれています。多いので少しずつ見ていきましょう。
あづまの国が澱んだ時期
あづまの国一帯の龍脈が澱み、狂暴な獣たちが跋扈し、湊以外に人が住めなくなり、飾車が止まってしまいました。……実はこれ、ぜんぶ同時期、十数年前のできごとです。
十数年前のあづまの国に発生した大イベントは、石堂家と安護家の戦です。この戦が澱みに関係していることは、まず間違いないでしょう。
獣を誘導した証拠
安護家は人為的に獣を誘導していました。証拠が残っています。
上記の書簡は安護家による記録です。「我ら秘術を用いて」「鼠どもを洞より追い立て」「別隊が巨猪を誘いて」等とあります。安護家は獣を操り、石堂家を滅ぼしました。
獣を誘導するには
本来、獣は余程のことがない限り縄張りから離れません。このことは1章のクニナラシ戦で説明されています。この設定は本編でたびたび触れられました。
縄張りから動かないはずの獣を、安護家はどうやって動かしたのでしょうか。澱みと飢えではないかと思います。
土地が澱めば天つ糸は枯渇します。天つ糸が枯渇すれば獣は飢えます。飢えた獣は移動します。何を使って誘導したかは分かりませんが、例えば、天つ糸の匂い(?)をちらつかせる装置がある……等ではないでしょうか。
いずれにせよ安護家の秘術は、澱みを利用して獣を操るわざだと思われます。
天守のシロウガチ
「安護家の秘術は獣を飢えさせるもの」と推測できる例が一つあります。冬塞ぎの孤城における天守(城の最も高い建物)の1階、シロウガチの死骸です。
通常個体の数倍はあろうかという巨体。
天守は本当に縦に真っ二つにされています。この巨体なら納得です。後足で立ち上がり、前足をどかんと下ろして叩き割ったのでしょうか。すさまじい話です。
ところが、このシロウガチが破壊した跡は、天守とそれに至る真っすぐな道しかありません。氏繁もこのシロウガチについては、天守の話しかしません。あちこちで暴れていれば、大きな痕跡や痛ましい話が残っていそうなものなのに。
つまりこの超巨大シロウガチは、天守まで真っすぐ突っ込んで、そのまま死んだわけです。これほど強大な獣が、たったそれだけで死にました。少々不可解な話です。
「安護家の秘術は獣を飢えさせるもの」とすれば、簡単に説明がつきます。シロウガチを餓死寸前まで追い込み、天守に誘導したのでしょう。それなら早々に力尽きたのも頷けます。
戦の範囲
安護家と石堂家の戦について整理してみましょう。
石堂家の頭首は「石堂氏綱」。あづまの国を治める守護でしたが、領地は他にもあったようです。戦で一族郎党皆殺しとなりました。なお、氏繁は侍大将として仕え、玉かづらは城に囲われていました。
安護家の頭首は「安護盛時」。西国で成り上がった日ノ本きっての知恵者です。石堂家の家来でしたが、下剋上を果たしました。なお、湊の沙汰人・戸賀姫は安護家の出身ですが、厄介者だったとされています。
十数年前の戦では、秋昏の峡谷が主戦場であり、冬塞ぎの孤城で石堂家が滅び、夏木立の島まで石堂家の残党が逃げたものの全滅しました。島への途中に春霞の古道があります。
つまり、戦の跡がそのまま本ゲームの狩り場です。各マップの初期段階はすべての龍穴が澱んでいました。あづまの国一帯の天つ糸が枯渇し、狂暴な獣の住処と変じたのは、安護家の非道と秘術がなしたものと思われます。
安護家は今のあづまの国に無関心ですが、当然でしょう。何もかも滅ぼすつもりだったのですから。建前上管理していますが、安護家はこの土地を捨てたがっています。
結論
安護家が悪い
「世界が水没しかけたのは安護家のせい」と見なすこともできそうですね。
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